キャットフードを試しては動画にしてレビューをして…と50種類以上をやってきてわかったのですが、「意外とみんな、キャットフードの違いを知らないかも?」ということ。
例えば、
- 高いキャットフードと安いキャットフードは見た目が同じでも原材料がまったく違う
- 安いキャットフードの中には、どんな食材なのか不明なものもある(家禽という表示だけでどんな鳥を使ってるのかわからないなど)
- 数値的な栄養面ではほとんどのキャットフードは大きな差はあまりない
- 「まぐろ味」はまぐろをほとんど使ってないのが多い
- 「ささみ味」もほとんどささみは入ってないのが多い
- 実はおやつキャットフードはプレミアムなキャットフードよりもかなり高い
ということをすべてご存知の方は少ないのではないでしょうか?
キャットフードの本当の選び方をぜひ知ってもらって、猫には長生きしてもらいたい…!
というわけで、さっそくキャットフードの種類と選び方を解説していきたいと思います。
ぜひ参考にしてみてください~!
誤解してるかも?キャットフードの種類と賢い選び方
キャットフードは食感が大きく分けて4種類
主食はやっぱりドライタイプ(カリカリ)
一番、主食にしやすいのがドライタイプです。
いわゆるカリカリですね。
水分量は多くても12%、少ないものだと6.5%くらいになります。
ちなみに水分量12%はモンプチやシーバデュオなどで、6.5%はロイヤルカナンなどがあります。
ドライタイプのいいところは、硬めのごはんなのであごをちゃんと使って食べれること。
歯石を取る効果もちょっとはあります。
原材料が人間も食べれるようないい食材のプレミアムなキャットフードでも、意外と思ったより安かったりします。
基本的には、ドライタイプとお水の2つがあればOK。
(あとで書く総合栄養食という表記を選んでください)
缶詰に入ってるのがウェットタイプ
お魚やお肉の食感がすごく残っているウェットタイプ。
水分も多くて、水分補給もしやすいのが特徴です。
問題は…価格の高さ。
そして安いウェットフードは、栄養がない「一般食」扱いのものも多く、それだけでは猫の栄養としては不十分です。
ちなみに超有名なチャオちゅーるもこのウェットタイプに入ります。
チャオちゅーるはなんと成分の90%以上が水分。
もちろん栄養は微々たるものです。
そして100gあたりで換算すると、高級なドライキャットフードよりも遥かにお値段が高くなります。
毎日あげるものというよりは、たまにおやつとしてあげるくらいがいいかも。
ウェットタイプのもう一つのデメリットとしては、歯垢がつきやすく口臭の原因になりやすいことがあります。
たまーーにみかけるセミモイストタイプ
あんまりないですが、水分量が40%くらいのセミモイストというタイプもあります。
見た目はお肉っぽいですが、ふにふにとした柔らかい触感です。
これもドライタイプと比べると高いです。
あんまり積極的に選ぶことはないかも。
半生の状態で腐敗しないように添加物がかなり入ってるものもあり、注意が必要です。
最近ふえてきたパテタイプ
肉やお魚を主原料にしたムース状のものが多いです。
パテは缶詰やパックなどに入って売られており、ホームセンターなどでも売っています。
ただ、これも原材料には注意が必要です。
ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガムなど、本来、肉食の猫が食べないような成分も多く含まれています。
デメリットとしては、パテなので歯に残りやすく口臭の原因になること。
そして価格がドライタイプよりも高いこと、一度開けると保存が聞かないことです。
素材本来の味や匂いが強く残っている商品も多く、猫の食いつきは良い感じなんですけどね…。
キャットフードを選ぶときは「総合栄養食」を選ぼう。一般食はおやつ!
キャットフードには、「主食となるもの」そして「おやつにしかならないもの」があります。
主食となるものには、「総合栄養食」の表記がかならずついています。
総合栄養食というのは、そのキャットフードとお水があれば猫に必要な栄養素が揃っているということ。
一般食というのは、栄養はないけど猫が食べても問題ないもののことです。
一番良くないのは、一般食で猫のお腹をいっぱいにしちゃうこと。
あくまでも総合栄養食をメインにあげて、一般食はたまにあげるおやつ程度にしておきましょう。
ぼくら人間も、毎日バニラアイスだけ食べているだけでは栄養失調で死んでしまうのと一緒です。
普段は食べない「療法食」や「栄養補助食」もある
ほかにも、病院でもらえる療法食(病気に対する食事療法のためのバランス調整されたご飯)や、特定の栄養をとるための栄養補助食もあります。
これらは間違ってあげると薬どころか毒になってしまうこともあるので、かならず獣医師の判断のもとにあげるようにしましょう。
キャットフードのまぐろ味…でも食材のほとんどはとうもろこし!?
安いキャットフードは、そのほとんどが穀類を主原料としています。
穀類というのは、とうもろこしや小麦、グルテンミール、大麦などのこと。
これらは単価が安く、コスト削減とかさ増しができるのでよく使われています。
人間の場合でも、スナック菓子の多くはコーンやパン粉を使っています。
そして味付けはあとからパウダーでしていますが、それは安いキャットフードも同じです。
原材料を見てみると、フィッシュパウダーなどの表記があるので探してみてください。
しかし猫は本来、肉食動物ですよね。
肉食動物の主食はなんでしょうか?
そう、お肉やお魚です。
穀類は体の構造的にあまり消化が得意ではありません。
少量の穀類ならたいていの猫は問題なく消化できますが、消化器官が弱い猫にとっては負担になる可能性があります。
そして多くのキャットフードでは、穀類がどれくらいの割合で入ってるのか公表していません。
商品によっては穀類を消化しやすく加工しているものもありますが、穀類の割合が多いとその分、タンパク質や脂質は少なくなってしまいます。
猫にとっては穀類(炭水化物)が多いよりタンパク質や脂質が多いほうが理想的です。
グレインフリー(穀類不使用)のキャットフードはなにが入っているのか
グレインフリーのキャットフードは、穀類の代わりにお肉やお魚が主原料となっています。
つまり、猫が本来食べるべき食材を使ってる、ということですね。
【裏話】グレインフリーのキャットフードは健康的?デメリットのホントのところ
猫ちゃんの健康が気になる方は、ぜひ読んでみてね
安いキャットフードでもグレインフリーはありますが、代わりに使われているお肉やお魚の加工前の鮮度や状態はどうなのかな…と気になるところ。
というのも、ちゃんとしたお肉やお魚を使うとどうしてもコストがかかるからです。
そこで次に重要となってくるのが「ヒューマングレード」という基準です。
猫を家族と考えるなら、ヒューマングレードだと安心できる
ヒューマングレードとはその名の通り、人間でも食べれる食材で作られたキャットフードのことです。
たとえば、安いキャットフードにはチキンミールというのが入っています。
チキンミールは、鳥のくちばしや内蔵、羽根、骨などを肉と一緒に粉末にしたもの。
内蔵も入ってるので、糞などもそのまま入ってる可能性は高いです。
人間はそういうものを食べることはほとんどありません。
ヒューマングレードの場合はそういった点もしっかりといい食材を使うように配慮されています。
ただヒューマングレードという基準はかなり曖昧なので、しっかり原材料を確認して選ぶようにしましょう。
安いキャットフードほど着色料が入ってる理由
安いキャットフードは、カラフルなことが多いです。
逆にハイグレードなキャットフードはほとんどが着色料は不使用になっています。
これはなぜかというと…「着色料は飼い主へのアピール」でしかないためです。
ぼくは40種類以上のキャットフードを猫たちに食べてもらってそれを動画で撮影してきました。
正直、色がついてようとついてまいと猫たちの食いつきに差は感じません。
それならむしろ入ってないほうが安心だし、その分のコストをほかの食材に回せますよね。
というわけで、ハイグレードなキャットフードは無着色なのです。
しかし「猫にあげるエサなんて安くていいや」と思ってる方には、見た目がカラフルなほうがウケがいいのかも…。
選び方は人それぞれなので、キャットフードのバリエーションもこれだけ豊富になった…というわけです。
安いキャットフードでも猫の食いつきが良い理由は「人工香料」だと思う理由
たまに「うちの猫は安いキャットフードが好きで、高いの買っても見向きもしない」という方がいます。
これは人工的な味付けや香りの濃いキャットフードに慣れて、素材の味や匂いを活かしたキャットフードの良さに気が付かなくなってる可能性があると思います。
人間でもジャンクフードばかり食べていると、薄味のごはんが物足りなかったりしますよね。
しかし健康に良いのははたしてどちらでしょうか?
ちなみにぼくはジャンクフードも好きです。
好きですが、年をとるごとに食事は素材を活かしたものが美味しく感じられるようになってきました。
ちなみに新鮮な野菜がたくさん食べれるシズラーというファミレスが最近のお気に入りです笑
話を戻すと、安いキャットフードは穀類がメインなので匂いや味付けは後付けになります。
チキンミールやフィッシュパウダーなどで調整できるので、濃い味付けのキャットフードもあります。
それとは対象的に、プレミアムなキャットフードは食材に自信があるので、そのままの味や香りで勝負しているものが多いです。
正直、いろんなキャットフードを食べてもらって見てきた感じでは、やはり食材にこだわったキャットフードのほうが猫たちのがっつき具合が良かったです。
毛玉対策や尿路の健康維持、というのは気休め?
キャットフードの中には、毛玉対策や尿路の健康維持という商品もありますが、効果は期待しないほうがいいです。
毛玉対策というのは、食物繊維を増やして便を出しやすくするという意味合いになります。
しかし、食物繊維の量を明記してるキャットフードはあまりありません。
尿路の健康維持というのはマグネシウム含有量を調整しているという意味合いで書かれていますが、ほとんどのキャットフードはそもそもマグネシウム含有量が調整されています。
効果が期待できるのであれば、それは療法食です。
病院で獣医さんに相談してもらうようなごはんになるので、通常スーパーなどで買える普通のキャットフードはほとんど効果はないはず。
それに尿路に結石をつくらせないためには、普段からちゃんとお水を飲むようにすることが一番大切なことです。
高いキャットフード、実はそんなに安いキャットフードと差がない説
ぼくは40種類以上のキャットフードを、買ったときの価格をメモって100gあたりの価格を出しています。
それによると、安いキャットフードは100gあたり60~170円くらい。
プレミアムなハイグレードキャットフードは100gあたり200~280円くらいです。
猫の体重が3キロの場合は1日40gなので、一日にかかる食費は30~140円くらいになるわけです。
一番高いクラスでもだいたい140円です。
肉まん一つ分くらいですよ…。
正直、それくらいなら猫にもいいものを食べさせてあげてもいいとぼくは思います。
とは言え「いやいや、猫よりも自分にお金を使いたいからそんなん適当でいいよ」という方もいるのはわかります。
猫に対してどう接するかは人それぞれなので、自分で納得できるものを購入して猫に食べさせてあげましょう。
まとめ:キャットフードは「総合栄養食」のドライで使用されてる食材を理解できるものにしよう
というわけで、まとめてみます。
- キャットフードはドライタイプが一番、買いやすく続けやすい
- 毎日食べるキャットフードは、「総合栄養食」の表記があるもの
- おやつはほどほどに。おやつにお金をかける前に、毎日のごはんを良いものにしてあげよう
- できればグレインフリーがおすすめ(必須ではない)
- ハイグレードなキャットフードもドライだったらそんなに高くない
という感じになります。
そしてぼくがおすすめするのはこちらのキャットフードになります。
ジャガー キャットフード
- 8匹の猫たちに食べてもらった結果、みんなに大好評で最高の食いつき
- 動物性タンパク質が非常に多く、猫の本能に訴えかける感じ
- 主原料はチキン、カモ、サーモン、マス
総合評価(5点満点) | 4.9点 |
原材料の良さ・こだわり | 4.8点 |
食いつきの良さ | 5点 |
対象年齢 | 全年齢 |
主原料 | 骨抜きチキン生肉、カモ生肉、乾燥チキン、生サーモン、生マスなど |
その他の原料 | じゃがいも、卵、さつまいもなど |
100gあたりのカロリー | 383.5g |
100gあたりの価格 | 約285円(定期購入で安くなる) |
原産国 | イギリス |
グランツ キャットフード
- なかなかいい食いつきを見せたキャットフード
- 天然素材だけなのに香りがよく、猫たちがすぐにやってくる
- 素材の73%がチキンとサーモン
総合評価(5点満点) | 4.9点 |
原材料の良さ・こだわり | 4.8点 |
食いつきの良さ | 5点 |
対象年齢 | 全年齢 |
主原料 | チキンとサーモン |
その他の原料 | さつまいも、じゃがいも、サーモンオイル等 |
100gあたりのカロリー | 375g |
100gあたりの価格 | 約233円(定期購入で安くなる) |
原産国 | イギリス |
モグニャン キャットフード
- 原材料の63%が白身魚
- 魚の匂いがかなり強く、かつお節系の匂いが好きな猫におすすめ
- グレインフリー(穀物なし)で消化にも良い
総合評価(5点満点) | 4.2点 |
原材料の良さ・こだわり | 4.5点 |
食いつきの良さ | 4.0点 |
対象年齢 | 全年齢 |
主原料 | 白身魚 |
その他の原料 | りんご、かぼちゃ、クランベリー、さつまいも等 |
100gあたりのカロリー | 365キロカロリー |
100gあたりの価格 | 約264円(定期購入で更に安くなる) |
原産国 | イギリス |