キャットフードを選ぶとき、多くの人は「パッケージを見てなんとなく」で選ぶ傾向があります。
しかし本当に気にするべきは、パッケージの売り文句でありません。
「原材料」の項目こそがもっとも重要なポイントです。
キャットフードのカリカリは見た目がどれも似たような感じなので、原材料もほとんど同じだと考えている方がとても多いですよね。
しかし、キャットフードによって原材料はまったく違います。
見た目が同じでも、人間で例えると食材はポテトチップス(ステーキ味)と和牛ステーキくらいの差があります。
パッケージに惑わされてはいけません。
この記事は、"猫は自分の家族"と考えている方にこそ読んで欲しい記事として書きました。
該当される方は、ぜひご一読いただければと思います。
キャットフードの売り文句を疑ってみる
例えばパッケージに書かれてる
- 猫被尿路の健康維持
- 歯の健康と口臭ケア
- 体型・毛玉ケア
こういったいかにも健康志向っぽいキャットフードがあります。
しかし本当に効果があると立証されてるわけではありません。
- 尿路の健康維持→尿路に結石ができずらいように成分を調整してるという意味。(実は普通のキャットフードと大して変わらない)
- 歯の健康と口臭ケア→歯周病菌の出す毒素を中和すると言われてるゲロビゲンPGが配合されてるが、実際の効果は不明。(本当に効果があるなら立証してるはず)
- 体型・毛玉ケア→食物繊維が多いので便秘になりづらいということ。しかし、商品によってはどれくらい食物繊維が入ってるか公表してない。(もし効果があるなら大々的に書いているはず)
こんな感じで、どれも気休め程度です。
本当に猫の健康に気を使うのであれば、それよりも使われている食材にこそ注意をするべきなのです。
安いキャットフードには”ワケ”がある
キャットフードの価格はピンキリで、100gあたり60円くらいのものから300円くらいのものまであります。
価格が安いものはどうして安くできるのでしょうか。
その答えは”原材料”にあります。
モンプチ毛玉ケア 5種のブレンドの原材料
安いキャットフードの代表的なモンプチから、毛玉ケア5種のブレンドの主な原材料を見てみましょう。
原材料その1:穀類(こくるい)
安いキャットフードは、そのほとんどが穀類をメインとしています。
穀類というのは、小麦、米、コーングルテンミール、シリアルブラン、大麦などのこと。
人間が食べるものとしても一般的ですよね。
しかし、肉食動物である猫がほんらい主食とするべき食べ物ではありません。
猫の主食は肉や魚です。
それなのになぜ穀類をメイン食材としているかというと、「コストが安くすむから」です。
ちなみに肉食動物にとって穀類があまり良くないのは消化がしづらいため。
基本的に腸が長い動物ほど穀物の消化をしやすいと言われています。
人間の場合、腸は身長のおよそ10倍の長さです。
人間は雑食なので肉食でもあり草食でもあるため、そこそこ腸が長いですね。
しかし猫の場合は、身長のおよそ4倍の長さしかありません。
逆に草食動物である羊の腸は、身長のなんと25倍もの長さがあります。
腸の長さからもわかるとおり、猫はやはり肉食動物なのです。
穀類は少量であれば猫にとってもさほど消化の負担にはならないと言われています。
しかし、肉食である猫が本来食べたいものであるかというとどうなのかな…というところですよね。
ある程度の価格帯のキャットフードになると、穀類を使わないグレインフリーのものが多くなってきます。
原材料その2:家禽ミール
家禽ミールとは、鳥類を使用したミール(肉や骨などを粉砕して乾燥させたもの)になります。
この場合、どんな鳥が原材料になっているのかわかりません。
状態の悪い鳥(病気や奇形のものなど)を使っていてもわからないため、完全に安全とはいいきれないのが現状です。
人間の食べるものとして売れないから安いと考えると、あんまり積極的に猫にあげたいという感じもしないかな…というのが僕の意見です。
原材料その3:フィッシュパウダー
キャットフードの大半は「お魚味」「まぐろ味」などいかにもふんだんに魚が使用されてるような名前になっています。
しかし安いキャットフードの場合、フィッシュパウダーが配合されているだけにすぎません。
まぐろ味だから、お魚がたくさん入ってるんだろうと勘違いしてる方は意外と多いんですよね…。
この前もとある猫を飼ってる方に「うちは魚をたくさんあげてるの。ほらこれ」って見せられたキャットフードの原材料が穀類だったということもありました。
そのキャットフードも「まぐろ味」と書かれていたので、原材料を見ないで勘違いされていたんだと思います。
キャットフードによっては、本当にメイン食材にサーモンをつかっていたりするものもありますが、安いキャットフードではほとんどみられません。
見た目より中身が重要なキャットフード
まずは安いキャットフードの代表格であるモンプチのカリカリを見てみましょう。
非常にカラフルです。
これは着色料を使っているためで、食材の色というわけではありません。
しかし、パッと見は美味しそうに見えます。
次に、プレミアムキャットフードとして割と有名なジャガーのカリカリがこちらです。
地味!
無着色のためにものすごく地味な感じがします。
この2種類を比べたとき、人間の目線ではどちらを選ぶでしょうか?
多くの人は、カラフルなモンプチを選びます。
しかし原材料を比べてみるとこうなってきます。
モンプチ 毛玉ケア | ジャガー |
穀類(小麦、米、コーングルテンミール等) | 骨抜きチキン生肉 |
家禽ミール | 鴨(かも)生肉 |
動物性油脂 | 乾燥チキン |
大豆ミール | 乾燥鴨肉 |
セルロース | 生サーモン |
たんぱく加水分解物 | 生マス |
フィッシュパウダー | じゃがいも |
ミネラル類 | 卵 |
着色料 | さつまいも |
入ってるものが多い順になっています。
モンプチは、コスト削減のために安い食材を使っています。
それに対してジャガーは、チキンの生肉、カモの生肉、乾燥チキンや生サーモン、生マスなど本物の食材を使っています。
肉食である猫が喜ぶ食材はどちらかと言えば…やはり本物の食材を使ったもののほうが良い気はしますよね。
安いキャットフードでも猫が好きな理由は人工的な匂い?
「うちの猫は安いキャットフードでもたくさん食べるからこれでいい」とおっしゃる方もいます。
それはそれで一つの意見なのですが、なぜ穀類をメインにした安いキャットフードでも猫たちの食いつきが良いのでしょうか?
本来、猫は肉や魚の匂いが好物なはずです。
猫にとって、匂いは非常に重要なポイント。
つまり材料よりも匂いをなんとか肉や魚っぽくすれば、食いつきは良くなるのです。
そのためのフィッシュパウダーや動物性油脂なわけですね。
ぼくらがスナック菓子のチーズ味を「チーズっぽい味!」って思うのと同じような感じだと思います。
結局は家族である猫になにを食べさせたいのか、で決まる
猫も人も一緒で、「自分の大切な人(ねこ)に何を食べさせたいのか」をどうしたいかです。
人間の子育てでも、「忙しいから子供にはカップラーメンやお菓子とか適当にあたえてる」という方もいます。
逆に「栄養バランスをなるべく考えて、食べることの楽しさも知ってもらえるようにしてる」という方もいます。
猫も一緒で、「猫にとって本当に食べたいものはなにか」を考えるのが大切だと僕は思っています。
冒頭で、「猫を家族の一員と考えてる方向け」と書いたのはそのためです。
猫は人間と違い、雑食ではなく肉食動物です。
肉食動物の食べたいものは、お肉やお魚であるはず。
そういった理由から、ぼくは原材料をきちんと知ることをおすすめしています。
そうなるとある程度のプレミアムキャットフードが良いんですよね…。
そもそもプレミアムキャットフードと言っても、1日あたりの食費で言えば100円~200円程度にしかなりません。
ペットボトル1本分くらいの価格すらも愛してる猫に出したくない!という人は少ないはず。
これを機会にぜひいい食材を使ったキャットフードを検討してみてください!
本物食材のプレミアムキャットフード、おすすめ3選
ジャガー キャットフード
- 8匹の猫たちに食べてもらった結果、みんなに大好評で最高の食いつき
- 動物性タンパク質が非常に多く、猫の本能に訴えかける感じ
- 主原料はチキン、カモ、サーモン、マス
グランツ キャットフード
- なかなかいい食いつきを見せたキャットフード
- 天然素材だけなのに香りがよく、猫たちがすぐにやってくる
- 素材の73%がチキンとサーモン
モグニャン キャットフード
- 原材料の63%が白身魚
- 魚の匂いがかなり強く、かつお節系の匂いが好きな猫におすすめ
- グレインフリー(穀物なし)で消化にも良い