「うちの猫は安いキャットフードを食べてたけど、20歳まで生きてたよ」
このような話を鵜呑みにして、じゃぁキャットフードは安いものでいいかと安易に考えるのってちょっと悩みますよね。
ぼくは50種類以上のペットフードを購入してその成分を比較してきました。
結論から言えば、「人間と同じで、何を食べても長生きする人はするし、そうでない人もいる」というのが前提になります。
人間だってたばこを吸いまくって100歳まで生きる人もいれば、タバコを吸わないのにもっと早く亡くなる方もいますよね。
猫だって体に良くないと言われてるものが含まれていたとしても、長生きする猫はいます。
ただ、「長生きする確率を増やすには、原材料がどんなものか知っておく必要がある」とも思っています。
家族である猫に普段どんなものを食べさせているのかは、本来ならみんなが知っておくべきことなはず。
今回は安いキャットフードにありがちな特徴、安全性について書いていくので、一つの参考にしてみてください。
【安全】安いキャットフードでも猫は長生きするのか
安いキャットフードの原材料。さかな味、は魚がほとんど入ってないのはご存知ですか?
安いキャットフードにありがちな○○産のまぐろ味、とか見たことはありませんか?
あれって、イメージ的には「このカリカリの主成分は○○産のまぐろなのかな」って思ってしまいますよね。
しかし、パッケージの原材料を見てください。
原材料は、基本的に割合が多い順で書かれています。
そして一番割合が多いのは…「穀類」になっていませんか?
実は、さかな味と書かれていても、魚はほとんど入ってないことが多いのです。
安いキャットフードの主原料、たいていの場合は穀類
穀類、つまりとうもろこしや小麦、グルテンミールなどはコストが非常に安く、かさ増ししやすい原料です。
しかし猫は本来、肉食動物なので穀類の消化は得意としていません。
少量なら問題ないですが、大量になってくると消化器官にかかる負担が多くなってしまいます。
そしてほとんどのキャットフードでは、穀類がどれくらいの割合で入っているのか表記されていないため、正確な量を知ることはできません。
普通の健康的な猫なら多少は問題ないとしても、消化器官が生まれつきあまり強くない猫にとっては下痢やその他の病気の原因となる可能性もでてきます。
安いキャットフードにはほぼ入っているミール系
これもほとんどの安いキャットフードには入っているミール系と呼ばれる原料があります。
たとえばチキンミールは、人間が食べない部位も含まれていて、くちばし、内蔵、骨、羽根などを肉と一緒に粉砕して粉にしたものです。
その割合や鳥の状態(病気じゃなかったか、死んでからどれくらいたっていたのか)はなかなか消費者が知ることはできません。
さらに家禽ミールと書かれている場合、どんな鳥を材料にしているのかすらわからないのです。
安いキャットフードでも、数値上の栄養価はまったく問題ない
どんなに安いキャットフードでも、「総合栄養食」と表記されていれば栄養価的には問題ありません。
だいたいどのキャットフードも、粗繊維、灰分、水分などはほぼ一緒です。
カロリーやタンパク質、脂質はキャットフードによって差があるかなーというくらい。
ちなみに人間と一緒で、カロリーが高めのキャットフードは安くても猫の食いつきは良いです。
シーバDUOとか猫にはかなり好評ですよね。
人間も猫も、カロリーが高いものは好きなのです…笑
肉食動物に大切なタンパク質は、キャットフードによって27%くらいから40%くらいまでと様々です。
安くてもタンパク質が多めのものもありますが、40%近いのはほとんどプレミアムなキャットフードになってきます。
ひと目でわかる、安いキャットフードとプレミアムなキャットフードの違い
高いキャットフードはなにが違うのかというと、「ブランド戦略がうまい」とか「本社が六本木」と言った理由ではありません笑
まぁそれもちょっとはあると思いますが、一番違うのは「原材料」です。
安いキャットフードとしてモンプチ、プレミアムキャットフードとしてジャガーを例にして比較してみましょう。
主な原材料の比較はこうなります。
モンプチ 5種のブレンド | ジャガー |
穀類(小麦、米、コーングルテンミールなど) | 骨抜きチキン生肉 |
家禽ミール | 鴨(かも)生肉 |
動物性油脂 | 乾燥チキン |
大豆ミール | 乾燥鴨肉 |
セルロース | 生サーモン |
たんぱく加水分解物 | 生マス |
フィッシュパウダー | じゃがいも |
ミネラル類 | 卵 |
着色料 | さつまいも |
アミノ酸類 | えんどう豆 |
入ってるものが多い順です。
まったく違うのがわかるでしょうか?
そりゃお値段も違うはずだわ…ってなりますよね。
そしてもし自分が猫だとしたら、どっちを食べたいですか?
忘れてはいけないのは、猫は肉食動物ということです。
肉食動物が食べたいものと言えば…そう、お肉やお魚です。
ジャガー キャットフード
- 8匹の猫たちに食べてもらった結果、みんなに大好評で最高の食いつき
- 動物性タンパク質が非常に多く、猫の本能に訴えかける感じ
- 主原料はチキン、カモ、サーモン、マス
高いキャットフードは安いのに比べてどれくらい高いの?
実は、普通に売られてるキャットフードでもものすごく安いものとそこそこなお値段のものがあります。
モンプチ5種のブレンドはめちゃめちゃ安く、100gあたり66円くらいで買いました。
でもその後に買ったモンプチ7種のブレンドは100gあたり123円です。
安いキャットフードはだいたい100gあたり60~170円くらいが多いみたい。
そして1日に猫が食べる量の目安としては、キャットフードにもよりますがだいたい3キロ前後の猫だと40gくらいになります。
ということは、1日たったの50円前後という感じです。
ちなみにプレミアムキャットフードは、100gあたり200~280円くらい。
1日あたり100円から高くても140円くらいが目安ってことになります。
…正直、これくらいの価格ならぼくは素材が良いほうを選ぶな、という気持ち。
だって1日140円だとしても、ペットボトル1本分です。
それだけで猫に本物の食材を使ったごはんをあげれるなら、ぼくはそっちを選びます。
これは人それぞれ考え方が違って、「いやいや猫はどうせわからないから安いに越したことはないでしょ」という方もいます。
他人の意見は他人の意見、あなたが猫にどういうごはんをあげたいのか?が重要だと思います。
安いと思ってたおやつキャットフードは実はかなり高価!
安いキャットフードのシリーズでも、おやつサイズのカリカリは実はかなりお高いので注意しましょう。
例えば、コンボシリーズ。
コンボのプレゼントシリーズはおやつ用として少量のパッケージに入ってます。
価格は192円(ぼくが購入した価格)なので高くないように思えますが…100g換算してみるとなんと457円にもなります。
プレミアムキャットフードよりも高すぎる…!!
でも、原材料は普通の安いキャットフードと同じです。
猫がよっぽどその味を気に入ってるなら買ってもいいと思いますが、ぼくだったらその分のお金で普段のごはんを良いキャットフードにしちゃうかな…。
安いキャットフードに多く入ってる着色料はなんのため?
ぼくはいろんな価格帯のキャットフードを買っているんですが、安いキャットフードに着色料が入ってる確率が非常に高いことに気が付きました。
逆にプレミアムキャットフードには、着色料が入ってるものはほとんどありません。
これはなぜかというと…「着色料は猫じゃなくて飼い主へのアピール」だからです。
色とりどりで美味しそうに見える…のは猫というよりも人間のほう。
実際、無着色のキャットフードだから猫の食いつきがわるかったなんてことはいままで一度もありませんでした。
そしてプレミアムキャットフードに着色料が入ってないのは、「素材をちゃんとわかってる人は着色料がいらないのも知ってるから」なんですね。
まさに、安いものと高いもので売るお客(飼い主)の層が違うんだな…というのがわかります。
高いって言っても、1日100円ちょっとのものなのでそんなに高いわけじゃないんですが、「自分にはお金かけたいけど猫にはかけたくない」という人もいます。
ねこ好きと一言で言っても、いろんな方がいて、いろんな考えがあります。
高いキャットフードを食べない理由は、安いキャットフードで濃い味付けになれちゃった可能性
プレミアムキャットフードは、素材が本物をふんだんに使用しているだけあって、人工香料を使ってないものが多くあります。
まさに「素材の味を活かす」ってやつですね。
安いキャットフードは主原料が穀類だったりするので、フィッシュパウダーやチキンエキスなどで香料や味をつけています。
ものによっては濃い味付けになってしまっていて、それに猫が慣れてしまう可能性があります。
人間もジャンクフードばかり食べてると、繊細な味付けがまったくわからなくなるのってザラにありますよね。
ぼくは一時期、ボーナスをすべて食事につかっているときがありました。
あのときは1ヶ月で数十万円の食事をしていたんですが、和食の繊細な味付けがわかるようになるまで、ちょっと時間がかかりました。
それというのも、それまではジャンクな食生活をしていたために味がハッキリしたものしかわからなかったんです。
ですが、それなりに食費をかけていろいろと試してるうちに、食材の良し悪しがはっきりとわかるようになりました。
某コンビニの弁当なんかもそれまではバクバク食べてたのに、味がわかるようになってからはまったく受け付けなくなるくらい味覚はするどくなったんです。
ジャンクなごはんもわかりやすい味付けで美味しいんですが、濃い味付けは長期的にみてあまり体に良いとは思えません。
できれば食材本来の味を、猫も人間も楽しみたいものですね。
まとめ:安いキャットフードを食べてても長生きするねこはいるけど、大切なのは飼い主が何を食べさせてるのかわかっているかどうか
まとめます。
安いキャットフードを食べていても、長生きする猫はいます。
しかし、それは人間も一緒で、体に悪いことをしていても長生きする人がいるのと変わりません。
大事なのは、「猫にあげてるキャットフードの原材料がどんなものなのか把握して、納得しているか」です。
とくに猫を家族だと考えている方には考えてもらいたいな、と思います。
そのうえで、安いキャットフードを選ぶのでしたらそれはそれで一つの選択です。
でもぼくは、1日100円程度の差しかないのでいい食材のキャットフードを選ぶかな…。
ぼくも猫も、食材本来の味をしっかり楽しんで過ごしていきたいと思います!
ちなみに食材がしっかりと明記されていて納得できるキャットフードはここらへんがおすすめとなっています。
ジャガー キャットフード
- 8匹の猫たちに食べてもらった結果、みんなに大好評で最高の食いつき
- 動物性タンパク質が非常に多く、猫の本能に訴えかける感じ
- 主原料はチキン、カモ、サーモン、マス
総合評価(5点満点) | 4.9点 |
原材料の良さ・こだわり | 4.8点 |
食いつきの良さ | 5点 |
対象年齢 | 全年齢 |
主原料 | 骨抜きチキン生肉、カモ生肉、乾燥チキン、生サーモン、生マスなど |
その他の原料 | じゃがいも、卵、さつまいもなど |
100gあたりのカロリー | 383.5g |
100gあたりの価格 | 約285円(定期購入で安くなる) |
原産国 | イギリス |
グランツ キャットフード
- なかなかいい食いつきを見せたキャットフード
- 天然素材だけなのに香りがよく、猫たちがすぐにやってくる
- 素材の73%がチキンとサーモン
総合評価(5点満点) | 4.9点 |
原材料の良さ・こだわり | 4.8点 |
食いつきの良さ | 5点 |
対象年齢 | 全年齢 |
主原料 | チキンとサーモン |
その他の原料 | さつまいも、じゃがいも、サーモンオイル等 |
100gあたりのカロリー | 375g |
100gあたりの価格 | 約233円(定期購入で安くなる) |
原産国 | イギリス |
モグニャン キャットフード
- 原材料の63%が白身魚
- 魚の匂いがかなり強く、かつお節系の匂いが好きな猫におすすめ
- グレインフリー(穀物なし)で消化にも良い
総合評価(5点満点) | 4.2点 |
原材料の良さ・こだわり | 4.5点 |
食いつきの良さ | 4.0点 |
対象年齢 | 全年齢 |
主原料 | 白身魚 |
その他の原料 | りんご、かぼちゃ、クランベリー、さつまいも等 |
100gあたりのカロリー | 365キロカロリー |
100gあたりの価格 | 約264円(定期購入で更に安くなる) |
原産国 | イギリス |