猫に長生きしてもらいたい…と思っているなら、グレインフリー(穀物なし)はいい選択肢です。
しかし獣医師によっては「グレインフリーは意味がない!」という主張をされている方もいらっしゃいます。
とくに有名なのがヒルズとそれを推してる獣医師さんです。
グレインフリーが意味がないという理由としては、
- 穀類は消化できる形(アルファ化)すれば含有量が40%以内であれば問題ない
- 穀類も良い栄養素となる
- 穀類が少ないと相対的にタンパク質が多くなるため、高齢などで腎機能が低下してる猫は注意が必要
ということになります。
この主張は一理あります。
しかし、穀類をわざわざメインの原材料にする必要もありません。
穀類が多いのは、基本的にコストをさげるために入れていることが多いです。
穀類も良い栄養素になり得ますが、ほかの食材でも同じ様に良い栄養素となります。
そして高齢猫はタンパク質が多すぎると負担になるのも事実ですが、だからと言ってタンパク質が必要ないわけではありません。
高齢猫は、筋骨格の減少をできるだけ抑えて、抗病性(病気への抵抗力)の低下を防ぐためにより質の良いタンパク質(アミノ酸)が必要とも言われています。
高齢猫はそれぞれの個体にあわせて、獣医師に診察してもらってそれぞれにあった療養食(もしくはおすすめされた総合栄養食)を食べるのがベストです。
グレインフリーなのかそうでないのか、という問題とは切り離して考えましょう。
ぼくがなぜグレインフリーのキャットフードは良い選択肢なのかと言えば、「様々な試食をした中で、グレインフリーのものは食いつきがよい傾向に見えた」からです。
グレインフリーのキャットフードは、好き嫌いが激しくてキャットフードをなかなか食べてくれない猫にも好評なことが多いんです。
実際に猫の保護施設で寄付されたものも含めて、40種類以上のキャットフードを食べてもらった結果、グレインフリーのキャットフードはおおむね猫たちに好評でした。
猫は、穀物を食べなくても生きていける動物です。
決して「穀物を食べちゃダメなわけではない」ですが、穀物を消化しやすく加工してないものが多いと体に負担がかかります。
猫は肉食なので、基本となる食事は肉や魚などのタンパク質がメイン。
穀物はさほど必要じゃないばかりか、多すぎると消化に悪く体に負担がかかってしまいます。(推測値40%を超えるものも安いキャットフードの中にはあります)
グレインフリーなキャットフードの素材は、いわゆるヒューマングレード(人も食べれるくらい高品質)なものを使っていたり、オーガニックに気をつけていたりと猫にとっても良いキャットフードがたくさん揃っています。
今回は保護猫施設でキャットフードを40種類以上食べてもらってわかった、子猫やシニア猫にも安心で健康的かつ食べっぷりのよかったキャットフードを紹介していきたいと思います!
下記に、試食して猫に好評だったおすすめのグレインフリーキャットフードのリストもあります。
【裏話】グレインフリーのキャットフードは健康的?デメリットのホントのところ
グレインフリーのキャットフードをわかりやすく解説
グレインフリーとは、穀物不使用という意味になります。
穀物の代表的なものは、米、小麦、とうもろこし、大麦など。
穀物の主成分は炭水化物ですが、猫にとってはあまり消化が得意ではありません。
キャットフードに入ってる穀類は、大抵がアルファ化されているので食材の40%ほどが穀類でも消化に問題ないと言われています。
グレインフリーとグルテンフリーは違うので注意
グレインフリーと似たような言葉で、グルテンフリーというのもあります。
グルテンフリーはその名の通り、グルテンというタンパク質が入っていないキャットフードのこと。
グルテンフリーの場合、グルテンが含まれていない穀物は含まれるので、グレインフリーとは違ってきます。
グルテンフリーは猫にとっては特に意味がないので、今ではあまり売られていません。
グレインフリーのメリットその1:腸が短い猫たちにとって良い
猫の腸は身長の4倍ほどしかありません。
腸が長いほど、穀物の消化もしやすい要因の一つになってきます。
ちなみにほかの動物と比べると…。
動物名 | 腸の長さと体長の比較 |
猫 | 4倍 |
トラ | 4倍 |
オオカミ | 4~5倍 |
パンダ | 4~5倍 |
いぬ | 5~6倍 |
人 | 10倍 |
馬 | 10倍 |
キリン | 20倍 |
羊 | 25倍 |
肉食動物ほど短く、草食動物ほど長い傾向にあります。
肉や魚は消化が良いので短い腸でもうまく栄養を吸収することができます。
しかし草や穀物などは繊維質が多く、腸が短いと効率よく消化吸収することができません。
草食動物は、長い腸の中にいる微生物の助けで消化を効率よく行うことができます。
猫は肉食の中でもかなり腸が短いほうなので、グレインフリーのキャットフードは理にかなっていると言えます。
※穀物を消化しやすくしている商品もあります。
グレインフリーのメリットその2:相対的にタンパク質が多くなる
一般的に穀類の量が少なくなると、そのぶんお肉やお魚の割合が増え、タンパク質が多く含まれるようになります。
猫にとって大事なのは、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラル、水です。
穀類(炭水化物)は基本的にほぼいりません。(まったくいらないわけではない)
ちなみにグレインフリーのキャットフードでも殆どの場合は、別な食材(かぼちゃなど)で炭水化物を摂取するようになっています。
炭水化物は大きく糖質と食物繊維にわかれますが、猫にとってそれほど必要ないのが糖質です。
グレインフリーのメリットその3:猫たちの評判が良い
グレインフリーのキャットフードは、野生の猫が食べる本来の食事に近い栄養バランスになっています。
つまり、高タンパク&高脂質という肉食生活です。
グレインフリーのキャットフードは肉や魚が多く含まれるため、必然的に猫たちが好きな食材が多く含まれていることになります。
※安いキャットフードでよくある「まぐろ味」や「鶏肉味」は、主原料は穀物で味付けが魚味だったり鶏肉味だったりするので注意しましょう。
グレインフリーのデメリットはただ一つ。価格がちょっとあげること
グレインフリーにするということは、その分、肉や魚などの割合が増えるということです。
安い穀物を使えないために、価格がちょこっと上がってしまうのが唯一のデメリットになります。
価格があがると言っても、1食あたり数十円程度なのでそんなに負担にはならないはず…。
【裏話】なぜ市販されてるキャットフードのほとんどは穀物が入ってるの?
これの答えは非常に簡単です。
グレインフリーのほうが猫にとっていいのに穀類が入ってる理由は、
穀類を使用すれば、原材料を安くして利益を増やせるから
ということになります。
人間でも、ステーキ肉を買うより小麦でできたパンを買うほうがぜんぜん安いですよね?
キャットフードは見た目はどれもあまり変わらないので、安い原材料を多く使ってもパッと見ではわからないのです。
【裏話】キャットフードの「さかな味」や「ささみ味」にダマされるな!
市販のキャットフードは、「○○産のマグロを使用」とか「ジューシーな鶏ささみを使用」なんてよく書かれていますよね。
しかし!
実際の主原料は穀物であることがほとんどです。
マグロ味と言っても、実際はフィッシュパウダーで味付けしてるだけだったりもします。
パッケージにかかれている原材料を見てみるとわかりますが、割合が多い順で原材料が書かれています。
おそらく一番最初に穀物という表記がないでしょうか?
これは人間で言えば、「まぐろ味のふりかけをごはんにかけて食べてる」ようなものです。
グレインフリーのキャットフードとは見た目は似てても、実は主原料は大きな違いがあります。
グレインフリーの中でも、できるだけ高品質なものを選ぼう
最近では、安いキャットフードでもグレインフリーなものが出てきました。
これは猫たちにとってもいい傾向だと思います。
しかし、主原料となるお肉やお魚の質はなるべくいいものにしてあげたいですよね。
猫を家族と考えている人ほど、ヒューマングレード(人が食べても大丈夫)なものを選ぶ傾向があるように思います。
合成酸化防止剤や合成着色料が不使用なグレインフリーを選ぶ
グレインフリーのキャットフードを選ぶなら、せっかくなので着色料など無駄なものが入っていないものを選びましょう。
着色料は安いキャットフードほどよく使われています。
猫にとっては着色料は特に意味がなく、飼い主に向けたアピールにしかなっていません。
合成酸化防止剤はコストが抑えられるので価格は安くなりますが、猫に積極的にあげたい感じでもないですよね。
これらの点を踏まえて、実際に食べているグレインフリーのキャットフードを紹介していきたいと思います。
試食して猫に好評だったおすすめのグレインフリーキャットフード
ジャガー キャットフード
- 8匹の猫たちに食べてもらった結果、みんなに大好評で最高の食いつき
- 動物性タンパク質が非常に多く、猫の本能に訴えかける感じ
- 主原料はチキン、カモ、サーモン、マス
総合評価(5点満点) | 4.9点 |
原材料の良さ・こだわり | 4.8点 |
食いつきの良さ | 5点 |
対象年齢 | 全年齢 |
主原料 | 骨抜きチキン生肉、カモ生肉、乾燥チキン、生サーモン、生マスなど |
その他の原料 | じゃがいも、卵、さつまいもなど |
100gあたりのカロリー | 383.5g |
100gあたりの価格 | 約285円(定期購入で安くなる) |
原産国 | イギリス |
グランツ キャットフード
- なかなかいい食いつきを見せたキャットフード
- 天然素材だけなのに香りがよく、猫たちがすぐにやってくる
- 素材の73%がチキンとサーモン
総合評価(5点満点) | 4.9点 |
原材料の良さ・こだわり | 4.8点 |
食いつきの良さ | 5点 |
対象年齢 | 全年齢 |
主原料 | チキンとサーモン |
その他の原料 | さつまいも、じゃがいも、サーモンオイル等 |
100gあたりのカロリー | 375g |
100gあたりの価格 | 約233円(定期購入で安くなる) |
原産国 | イギリス |
モグニャン キャットフード
- 原材料の63%が白身魚
- 魚の匂いがかなり強く、かつお節系の匂いが好きな猫におすすめ
- グレインフリー(穀物なし)で消化にも良い
総合評価(5点満点) | 4.2点 |
原材料の良さ・こだわり | 4.5点 |
食いつきの良さ | 4.0点 |
対象年齢 | 全年齢 |
主原料 | 白身魚 |
その他の原料 | りんご、かぼちゃ、クランベリー、さつまいも等 |
100gあたりのカロリー | 365キロカロリー |
100gあたりの価格 | 約264円(定期購入で更に安くなる) |
原産国 | イギリス |
ニュートロ ナチュラルチョイス 穀物フリー アダルトダック
- ナチュラルシリーズの穀物フリー(グレインフリー)バージョン
- 主原料はダック(カモやアヒル)と珍しい
- 袋が開けづらい&保存しづらい
総合評価(5点満点) | 3.8点 |
原材料の良さ・こだわり | 3.5点 |
食いつきの良さ | 3.8点 |
対象年齢 | 1歳から |
主原料 | ダック、チキンミール等 |
その他の原料 | エンドウタンパク、鶏脂、乾燥ポテト等 |
100gあたりのカロリー | 380キロカロリー |
100gあたりの価格 | 248円(購入時) |
原産国 | 米国 |
ニュートロ・ワイルドレシピ
- 穀物フリー(グレインフリー)
- サーモンが主原料
- タンパク質が40%と多く、肉食の猫に最適
総合評価(5点満点) | 3.5点 |
原材料の良さ・こだわり | 3.8点 |
食いつきの良さ | 3.7点 |
対象年齢 | 1~6歳 |
主原料 | サーモン |
その他の原料 | チキンミール、エンドウタンパク、タピオカ等 |
100gあたりのカロリー | 380キロカロリー |
100gあたりの価格 | 277円(大袋で更に安くなる) |
原産国 | アメリカ |
ピュリナワン グレインフリー 白身魚
- グレインフリー(穀物不使用)で猫の消化に配慮している
- 白身魚が主原料
- ちょっと猫たちに飽きられやすかった
総合評価(5点満点) | 2.5点 |
原材料の良さ・こだわり | 3.2点 |
食いつきの良さ | 2点 |
対象年齢 | 1歳から |
主原料 | 白身魚、チキンミール、えんどう豆でんぷんなど |
その他の原料 | キャッサバ粉、大豆たんぱく、牛脂など |
100gあたりのカロリー | 365キロカロリー |
100gあたりの価格 | 107円(購入時) |
原産国 | アメリカ |